WavPack
純粋な可逆、独立した非可逆、非可逆主ファイルと校正ファイルで原データを復元するハイブリッドに対応するオープンオーディオ圧縮形式。
詳細説明
WavPack は David Bryant により開発されたオープンオーディオ圧縮形式で、拡張子 `.wv` が一般的である。純粋な可逆、非可逆、ハイブリッドの 3 モードで動作し、整数 PCM、浮動小数点 PCM、マルチチャンネル、後期バージョンでは DSD などにも対応する。
可逆モードでは、WavPack は予測、チャンネル去相関、残差符号化によりオーディオ冗長を減らし、デコード後に原サンプルを復元する。符号化オプションは予測複雑度、処理速度、ファイルサイズを変えるが、正しく復元されたデータは変えないはずである。形式は独立解析可能なブロックでオーディオとメタデータを組織し、ストリーミング、エラー位置特定、マルチチャンネル拡張に適する。
ハイブリッドモードは WavPack 特有の動作方式の一つである。エンコーダは単独再生可能な非可逆 `.wv` 主ファイルを生成し、同時に `.wvc` 校正ファイルも生成しうる。両者を組み合わせると、デコーダは符号化入力と一致する可逆オーディオを復元する。`.wvc` は独立再生可能な第 2 完全音声トラックではなく、校正ファイルを失うと主ファイルは再生できるが非可逆結果のみとなる。
WavPack の非可逆モードは MP3 や AAC と設計が完全には同一ではない。予測残差の量子化などでデータ量を下げ、後から校正ファイルと結合しやすい構造を重視する。実際の聴感と圧縮率は設定と素材次第である。独立非可逆主ファイルを通常の可逆形式へ変換しても、欠落した `.wvc` の代替にはならない。
タグは通常 APEv2 構造を用い、文字、カバー、リプレイゲインを保存できる。WavPack はデコード時に原ファイル構造を再構築するため、非オーディオ付加情報もカプセル化しうる。「原ファイル復元」と「オーディオサンプル復元」は符号化オプションと入力種別ごとに別判断すべきである。
WavPack、FLAC、ALAC はいずれも PCM を可逆保存できるが、ビットストリーム、メタデータ、ハード支持、符号化特性は異なる。拡張子は期待形式を示すだけであり、可逆アーカイブの検証にはデコード検証、サンプル比較、形式内検証機構が必要で、ファイルサイズだけでは足りない。